カディスの赤い星 / 逢坂剛

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The Red Star of Cadiz (カディスの赤い星)

By 逢坂 剛


翻訳: Usha JAYARAMAN

黒田藩プレスがお送りする『カディスの赤い星』初の英訳本。逢坂剛による『カディスの赤い星』は、日本とスペインを舞台にしたサスペンス小説です。この作品により逢坂氏は推理小説界で確固たる地位を築きあげます。第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞を受賞

フリーのPRマンである漆田亮は、得意先の日野楽器から、サントスという日本人ギタリストを捜してほしいと依頼される。サントスは二十年前にスペインの有名なギター製作者ホセ・ラモスの工房を訪れており、ラモスがサントスの行方を捜しているとのことだった。サントスのギターの腕前なら日本にいればすぐに噂がたつはずだが、依然として日本のフラメンコギター界では消息をつかめない。漆田はわずかな手がかりだけを頼りに、サントスの足取りを探り始める。捜索が進むうちに、漆田が目の当たりにしたのは、スペイン内乱時代に名工が作りあげた伝説のギター〝カディスの赤い星〟にまつわる秘密と、そのギターに群がる醜い人間たちの姿だった。そして、次第に、スペインの極左団体や秘密警察が密接に絡みあう陰謀の渦に飲みこまれていく。

1975年当時、スペインはフランコ独裁政権下にあり、日本もまた過激左派によるテロの脅威におびえていました。現実世界をうまく織り交ぜながら、逢坂氏は自身の広告業界での経験を生かし、広告代理店や楽器メーカーを取り巻く熾烈な競争を描いています。ライバル会社の理沙代との恋愛模様も含め、複数のプロットがスピード感たっぷりに交錯し、記憶の豊かな絵模様を描き出します。舞台がスペインに移ると、ストーリーは急展開を見せます。生き生きとしたスペインの描写により、ストーリーはいっそう現実感を増し、読者をひきつけずにはいられません。スペインに魅せられた作家によるハードボイルドの傑作を、異国情緒漂うフラメンコギターの調べとともに、英語の世界でぜひお楽しみください。

英訳本は、逢坂氏によるイントロダクションと、文芸批評家である池上冬樹氏による書評、およびBodies of Evidence: Women, Society, and Detective Fiction in 1990s Japanの著者であるアマンダ・シーマン博士の序文付き。

カディスの赤い星」の日本語版。
英訳の元となった本。(講談社、第五版)


書籍データ:

  • xvi + 431 ページ
  • 新書判 6" x 9 (152 mm x 228 mm)
  • ISBN 4-902075-24-5
  • 黒田藩プレスID: FG J0019-L11
  • 定価: US$20.00
  • 表紙絵: Pablo Avanzini

購入


逢坂剛(1943~)
1966年、中央大学法学部卒。卒業後、広告代理店の博報堂に勤める。会社勤務のかたわら執筆活動を行い、1980年『暗殺者グラナダで死す』でオール読物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で第96回直木賞他を受賞。推理小説界で不動の地位を築く。自身もフラメンコギターを弾き、スペインに造詣が深い。特にスペイン内乱への関心が、現代のスペインや日本の状況を盛り込んだ数々の傑作を生む原動力となり、作者独自のハードボイルドな登場人物たち、複雑なプロットやユーモアが確立された。

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