PODとは?

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PODとは、プリント・オン・デマンド(Print on Demand)の略で、印刷業界に革命を起こすと期待されています。かつて本が手作業で作られていた頃には、1冊を作るのに相当な時間と労力が必要であったため、誰かが必要としない限り本を作ると言うことは日常的なことではありませんでした。つまり、ほとんどすべての本は本質的に「プリント・オン・ディマンド(必要に応じて印刷する)だったわけです。

やがて、ペーパーバックなどの大量出版の時代を迎え、世界中の本屋という本屋、飛行場という飛行場に、本があふれるようになりました。他の大量市場製品と同じように、本もまた生産・卸・販売というシステムが作られたのです。一度に何千冊も何万冊もの本が印刷されますが、実際に売れた冊数を出版社が把握することはできません。倉庫に眠っている本や売れ残った本があり、半年、あるいは一年たってみないと、販売数は「推測」の域を出ないのです。

従来型の大量市場業界では、たとえ短期出版であろうと、新しい出版社の参入に対するリスクの大きさは明らかでした。出版社がヒットすると見込んで、多額の費用をかけて新刊本を出版しても、予測をはるかに下回る数しか売れないこともあります。売れ行きが良くても、卸や書店からの返品数が数百冊になる場合もあります。返品された本は、販売できないほどひどい傷みがあったり、発行されてから半年も一年も時間が経って出版社に戻ってくるのです。このような状況で、出版社が生き残るには多額の現金資源を用意しておく他に道はありません。これでは、新しい出版社や少量の本を販売する出版社は生き残りはおろか、参入すら難しいのが実情です。

コンピュータ、そしてコンピュータ印刷が進歩したおかげで、PODシステムが可能になりました。専用レーザープリンタを使えば、従来のオフセット印刷に極めて近い品質の印刷ができるようになりました。PODが従来の印刷システムと決定的に違うところは、必要なときにすぐに印刷できるという点です。製本工程は本質的には従来と変わらず、最終的にはペーパーバックでもハードカバーでも、オフセット印刷とほとんど変わらない品質の本になります。

出版社から見たPODのメリットは、数十冊、あるいは数百冊という単位の試験的な出版ができるということです。大ヒット間違いなしの本なら、最初からオフセットで大量印刷をすることができますが、特殊な分野の本、つまり一年に数十冊、あるいは数百冊単位でしか売れない本はプリント・オン・デマンドが適しています。

作家にとってPODシステムの優れた点は、本の出荷=本が売れたことを意味することでしょう。出荷数は実際の売り上げですから、版権料の算出が簡単になります。

書店のメリットはどうでしょうか?PODシステムでは、原則的に返品は存在しません。つまり、書店は独自のマーケティング方針を決め、販売する本に書店自らが責任を持つことになるのです。これは、書店にとっては大きな利点でしょう。例えば、POD出版物を特別注文として受ける場合、注文から一週間以内に納品できます。在庫として確保したいと思った場合も、いつでも好きな量を注文することができます。

世界でも1、2を争う大手の本の小売業者、「Amazon(アマゾン)」でも、POD書籍を数多く提供しています。が、そのほとんどは在庫にありません。 POD書籍の注文を受けると、Amazonは自動的にPOD出版社に発注を流します。注文した本が在庫がある場合はAmazonの倉庫から、または直接出版社から送られます。PODによる書籍制作はスピーディなので、Amazonの倉庫経由の場合とオンデマンドで印刷された場合と時間的なギャップがほとんどありません。

黒田藩プレスは、この新しい技術によって出版社として発展でき、活動の幅が広がると考えています。読者の方々は常に品質の高い本を購入いただけます。作家の皆さんにとって、この新しいシステムで実現する柔軟性と長期の販売形態は大きなメリットになるでしょう。

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